香りと風味が抜群の薬味です!柚子胡椒も薬味にピッタリ!【ゆず】

薬味のチカラ 「ゆず」と言えば、日本では、冬至の日に柚子湯に入るという習慣が昔からあることで有名です。
冬至の日に柚子湯に入ると、無病息災で過ごすことができるといういわれがあるのですよね。
ゆず(柚子)に含まれる成分の効果で肌もすべすべになって体も温まるので、昔の人が考え出した生活の知恵とも言えるでしょう。最近では、ゆず(柚子)を原料にした韓国の飲み物「ゆず茶」や九州地方で食べられてきた調味料「柚子胡椒」なども知られるようになって、ゆず(柚子)から生まれた人気の食品になっています。
ゆず(柚子)は、薬味として使う時は皮のみを親指大くらいに切ったり、すりおろしたり、細かく刻んだりするか、半分に切って絞るかして使うのが一般的です。最近では鍋物の薬味として柚子胡椒を使うのも全国区の使い方として注目されてきています。

ゆず(柚子)ってどんなもの?

ゆず((柚子)は、柑橘類の果物です。 このサイトでも薬味として紹介している「すだち」や「カボス」の仲間です。
ミカン科の果物の中では、寒さにも強く、日本でも西日本中心に栽培されているすだちやカボスとは違い、北限は東北地方です。
ユズ・すだち・カボスゆず(柚子)は、実を結ぶような大人の木になるまでは約15年という長い年月がかかりますが、その分木としての寿命が長いという特徴があります。長い樹齢のゆず(柚子)は、100年以上も生き続けるものもあるくらいです。そんなことから、寿命の長い木という意味を込めて「柚寿」という字を当てたりします。その他には、「柚子」(これが一般的な漢字)「柚」(古名)「木柚」などの字が使われています。
ゆず(柚子)の特徴としては、皮の部分がでこぼこしていてちょっと見た目が粗い印象があります。その外皮のような状態を「ゆず肌」などと呼ぶこともあるようです。
ゆず(柚子)は、今現存している柑橘類の中では、最もその歴史は古く、奈良時代には既に栽培されていたことが分かる記述が「続日本紀」の中に見られます。
ゆず(柚子)は元々の原産地は中国の揚子江の上流の地域で、朝鮮半島経由で日本に渡来した果物です。
正確な渡来の時期は分かりませんが、前述の奈良時代にはもう栽培されていたという事柄からも、日本に大陸の文化が入ってきたのと同じ経緯を辿って日本に入ってきたということがうかがい知ることができるでしょう。
また、江戸時代にはゆず(柚子)を絞った汁を酢の代わりに料理に用いていたという記録が書物に残っています。柑橘類の果汁を酢の代わりに調味料として使う、いわば「ぽん酢」の使用方法は江戸時代にはもう考えられていたのですね。

《へぎゆず(へぎ柚子)》
日本一のすだち生産地・徳島県の中でも特に生産量が多いのが、名西郡神山町です。
神山町の山間部に位置し1日の寒暖の差が激しいという気候条件がおいしいすだち(スダチ)を育んでいるそうです。
すだち(スダチ)と言えば、焼いたさんまの薬味としても定番であるという縁で「目黒のさんま」で有名な東京都目黒区の「目黒のさんま祭り」がきっかけで、さんまの水揚げで有名な岩手県宮古市と姉妹都市となったという経緯もあります。

《はりゆず(針柚子)》
日本一のすだち生産地・徳島県の中でも特に生産量が多いのが、名西郡神山町です。
神山町の山間部に位置し1日の寒暖の差が激しいという気候条件がおいしいすだち(スダチ)を育んでいるそうです。
すだち(スダチ)と言えば、焼いたさんまの薬味としても定番であるという縁で「目黒のさんま」で有名な東京都目黒区の「目黒のさんま祭り」がきっかけで、さんまの水揚げで有名な岩手県宮古市と姉妹都市となったという経緯もあります。

ゆず(柚子)の旬

ゆず(柚子)が花をつけるのは、日本では大体5〜6月頃です。
5枚の花弁を持つ白い花が咲き、その後7月頃から実をつけます。実は少しずつ大きくなり、秋の終わり頃から熟し始め、黄色い色になっていきます。収穫時期でも8〜9月の最初の頃は、ゆず(柚子)は青く(見た目は緑色です)、「青ゆず」と呼ばれます。収穫が進み、時期が11月以降になってくると、成熟が進み、ゆずの外皮は黄色く色づきます。この冬に採れるゆず(柚子)を「黄ゆず」と呼んでいます。青ゆずは、黄ゆずに比べると成熟していない分、さわやかな風味が特徴です。旬は、青ゆずは7〜10月頃、黄ゆずは10〜12月頃となります。
ゆずは実をつけるのには大変長くかかる木で、ことわざに「桃栗三年柿八年、枇杷は九年で生りかかり、柚の大馬鹿十六年」などと言葉があるくらい、植えてから実を収穫できるまでの期間が他の木に比べて長い年月を要します。

ゆず(柚子)の産地

ゆず(柚子)は、柑橘類の中でも耐寒性が強いため、北は東北の岩手から南は吸収の宮崎までの広範囲で栽培されています。中でも四国の高知県と徳島県での栽培が多く、日本国内のゆず(柚子)生産量の約7割をこの両県で占めています。

《ゆず(柚子)の村としてブランド化に成功!高知県馬路村》
高知県の東部に位置する「馬路村」はゆず(柚子)の産地として有名です。
ゆずポン酢(6本セット)【南国土佐ドットコム(井口フルーツファーム)】馬路村では昭和40年代からゆず(柚子)が栽培されており、徐々にその栽培面積を増やしていました。昭和60年代のゆず(柚子)の豊作を経て、加工品としてま販路を築かなくてはいけないという決断を地元の農協がし、開発に取り組み作り上げたゆず(柚子)のジュース「ごっくん馬路村」という商品が個性的なパッケージの効果もあって大ヒットしました。その後、ゆずを使ったポン酢醤油など次々とゆずの加工品を発売し、今では「ゆずの村」として全国区でのブランド化に成功した自治体として一躍有名になっています。高知県では、馬路村の隣にある「北川村」もゆず(柚子)の生産地として有名です。
(※ 「ゆずの村・馬路村」については、薬味リンクもご覧ください)

《「ゆず(柚子)の里」として知られる京都市右京区水尾地区》
京都市の嵐山から車で30分ほど行ったところにあるのが水尾地区です。
この水尾は「柚子の里」として有名です。この水尾のゆず(柚子)には、大変歴史があり、1000年以上の昔から栽培され続けていたという経緯があります。御所にも献上されたゆず(柚子)として水尾ゆずははるか昔からいわばゆず(柚子)のブランドとして認識されていたのですね。
山間部に位置し、寒暖の差が激しいという京都の地の環境がこの地区で育てられるゆず(柚子)の風味を味わい深いものに育てているのではないでしょう。
この地区では、冬の「ゆず風呂」も有名で、冬の風習として地域に根づいています。

ゆず(柚子)のチカラ(効能)

ゆず(柚子)にはビタミンCをはじめ、カルシウム、カリウム、鉄分、ミネラルなど、豊富な栄養成分を含まれています。特にゆず(柚子)の皮の部分には、果実の部分よりもより多くの栄養を含んでいます。皮の部分に含まれているビタミンCには、コラーゲンを生成する働きがあり、その働きは柑橘類の中でも飛び抜けています。
ゆず(柚子)の栄養価は昔から高い評価を得ていて、風邪の特効薬として重宝されたり、皮を刻んで皮膚に塗り、アカギレやヒビなどに効くという治療薬としても用いられたりしてきました。

ゆず(柚子)の使われる代表的な料理

ゆず味噌、ゆず大根、ゆず寿司

ゆず(柚子)の加工品

ゆず酢、ポン酢醤油、ゆずコショウ、かんずり、ゆず七味、ゆずドレッシング、柚子羊羹、柚子餅、柚子ゼリー、ゆず茶、ゆずジャム、ゆずハチミツ、ゆずリキュール、ゆず焼酎

《ゆずコショウ(柚子胡椒)》
「ゆずコショウ」は、大分県日田市が発祥で、九州地域北部では一般的に食べられている香辛料です。ゆずコショウは、青唐辛子とゆず(柚子)の皮をすりおろしたものに塩を加えて作られています。
ここで使われるゆず(柚子)は、若い青ゆずです。コショウという言葉が使われていますが、実際には胡椒は入っておらず、九州地方で唐辛子のことを「こしょう」、胡椒のことを「洋胡椒」と区別して呼ぶことからこの名前がついたと言われています。
ゆず胡椒は、鍋物や味噌汁、刺身などの薬味として使われますが、最近はどんな料理にでも合う香辛料として、全国的に有名になり、様々な料理に使われているようです。

《かんずり(寒造里)》
「かんずり」は、新潟県妙高市で冬に作られている香辛料です。
かんずりは雪の上にさらし、味がまろやかになった赤唐辛子をすりつぶしたものに、米麹、塩、ゆず(柚子)などを加えて、3年ほど熟成させて作られています。
かんずりは、鍋物(特に水炊き)や焼肉、冷奴、おでん、うどんなどの薬味として使われています。

《ゆず茶》
はちみつゆず茶 (CM)【美容健康商品・コンタクトレンズ・家電専門店Blue-Lagoon】ゆず茶は、韓国生まれの飲み物です。
「茶」という字はついていますが、お茶の葉は含まれてはおらず、言ってみれば「ジャム」みたいなものです。飲む時は、ゆず茶をお茶碗などに小さいスプーンで2〜3杯ほど入れ、お湯などで溶かしてから頂きます。ゆずの香りがホッと温まる冬の寒い時期にピッタリな飲み物です。
ゆず(柚子)が入っているということで、風邪の予防などにも効果が期待できるかもしれませんね。
また、飲み物としてではなく、ジャムのようにしてパンに塗ったり、ヨーグルトに入れたりするという食べ方もおすすめです。

ゆず(柚子)を薬味にするとピッタリ!の料理

*そうめん・・・皮をすりおろしたり、皮を刻んだりして添えて。
*冷奴・・・皮を刻んで彩りと香りを添えて。
*刺身・・・輪切りや半分に切ったものを添え、果汁を絞りかけて。
*焼き魚・・・半分に切って添え、果汁を絞りかけて。
*豆腐料理・・・半分に切って添え、果汁を絞りかけて。
*鍋物・・・皮をすりおろしてタレに入れたり、絞った果汁とダシ・醤油をあわせてポン酢を作りレをしたりして。
*天ぷら・・・天つゆにすりおろしたり刻んだりした皮を入れて。
*お吸い物・お雑煮・・・皮を刻んだものを浮かべて。
*茶碗蒸し・・・針ゆずを三つ葉と一緒に飾って。
*ふろふき大根・・・へぎゆずや針ゆずを上にのせて。

※ゆず(柚子)は、薬味として使う場合は、皮を使うことが多く、「皮の部分だけをすりおろして添える」「皮の部分を刻んで添える(へきゆず・針ゆず)」という使い方が多いです。
または、「果汁を絞ったものでポン酢を作る」という食べ方が鍋物には一般的です。

薬味レシピ 〜ゆず〜

ゆず胡椒(柚子胡椒)のレシピ

ゆず(柚子)の加工品のところでも紹介したゆず胡椒は、薬味として使うことはもちろんちょっとした料理のアクセントに大活躍してくれる大変便利な香辛料です。
ゆずをたくさん頂いてしまったりした場合には、小分けにして冷凍保存しておけば、日持ちするのでおすすめです。基本的には青ゆずの皮を使うのが一般的ですが、黄ゆずでも構いません。黄ゆずを使う場合には、どちらかと言うと赤唐辛子との組み合わせで作ることが多いようですが、作り方は同じです。

【ゆず胡椒の材料】 【ゆず胡椒の作り方】
青ゆず・・・1〜2個
青唐辛子・・・6本
塩・・・少量
  1.ゆずの皮をすりおろす。
2.青唐辛子の種を取り除いてから、細かくみじん切りにする(すり鉢ですってもOK)。
3.すり鉢に1と2を入れて、すり潰しながらよく混ぜる。
4.ペースト状になったら、塩を加えて味を調えて、出来上がり。
※たくさん作った場合には密封できる小袋(ファスナータイプがよい)などに入れて、冷蔵庫で保存します。
空気に触れると変質しやすく、光が当たると変色しやすいので、なるべく冷暗所への保存した方がいいようです。長期保存の場合は、冷蔵庫ではなく冷凍庫で保存しましょう。

薬味豆知識 〜ゆず(柚子)〜

冬至の日にはゆず湯を

冬至といえば、冬至かぼちゃと共に風習として伝わっているのが「ゆず湯」ですね。
冬至の日にお風呂にゆず(柚子)を浮かべて入るという慣わしがゆず湯です。地域によっては、「ゆず風呂」と呼ばれているところもあるそうです。
ゆず湯の最初は、江戸時代に銭湯で始めたということのようです。冬至(とうじ)=湯治、ゆず=融通という語呂合わせで柚子湯を始めたという説もありますが、はっきりした理由は分かってはいません。
ゆず(柚子)をお風呂に入れることで、血行を促進する効果があり、冷え性や肩凝り、腰痛などの症状を緩和してくれるのです。また、ゆず(柚子)の外皮に含まれているビタミンCやクエン酸などの成分には美肌や保湿の効果があり、美容にももってこいです。
ゆず湯の入り方は、ゆず(柚子)の実を輪切りにして、湯船に浮かべるだけと簡単です。
大体5〜6個を使うのが一般的ですが、2〜3個でも家庭の浴槽であれば十分効果は得られます。
子供や年配の方など肌の弱い方には刺激が少々強すぎるので、袋に入れたり、個数を少なめにして使うのがおすすめです。